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言葉の語源

日常、耳にする言葉の意味を調べています。 日本語って知れば知るほど魅力のある言葉ですね。

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 数年前、東京の郊外に引っ越した。それまで住んでいた23区内とは大違いな空気のきれいさだ。今までは少し歩いただけで息切れがして胸が痛くなるけれども、ここではそんな状態になったことはない。それだけ空気がきれいなのだと感じるとともに、もっとこの地方を知りたいと考えるようになってきた。
 なぜ空気がきれいなのだろうか、それを語る前に、日本の首都、東京がある関東平野の成り立ちから説明する。
 昔の多摩川は現在より北側を西から東へと流れていた。青梅市付近を扇頂部にしてたびたび水路を変え浸食と堆積を繰り返しながら扇状に広がる武蔵野台地を形成した。(社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩『タマケン。知のミュージアム多摩・武蔵野検定公式テキスト』ダイヤモンド社)
 葦やススキが生い茂るだけの原野だった地域は飲料水や農業用水が乏しいため深く掘らねば確保できず、そして深く掘った井戸から今度は水を汲み出さなければならない。まいまいの井という、すり鉢の底にある井戸をからぐるぐると回り水を運ぶ方法が工夫されている。飲料水一つとってもすべて人の力だけで生み出さねばならなかった。江戸とその周辺の農村は生産されたものを単に消費するだけではなく、かまど灰が農村の肥料に、古い金物は農具の原材料となるとように生産、消費、また生産のサイクルの輪で結ばれていた。無駄とよべるものがなかったといえばそれまでだが、そうした生活からものを大切にして空気や水をきれいにしようという考えが根底にあるのだろう。
 現代はどうなのか。雨はアスファルトの上を流れて下水に流れ込む、地下水として残ったものも工業用水として組み上げ汚染し、そして下水へ。消費によって生まれた廃棄物は山となり、自治体は処理に頭を抱えている。(尾河直太郎『江戸・水の生活』新草出版)武蔵野、多摩地区における今後の課題は、今ある自然を保全して動植物の生命力を強くすることである。
 2008年10月26日には記念すべき多摩・武蔵野検定第1回が実施される。新参者にすぎないけれども武蔵野・多摩地域を知ることで、いつか問題の糸口をつかみたいと考えている私は受験することにした。

 講義で取り上げた都市「江戸」について、都市発達の特色と課題

 江戸開府をしてから、日本のみならず世界でも珍しい、家康の考えた「の」の字の拡張計画は無限ともいえる広がりを見せる。
 50年以上も建築工事を続けていた江戸の町はある意味、古代エジプトのピラミッド建築に通じるところがあるのではないだろうか。関東北部の山岳地帯や静岡県の富士川上流、長野県の木曽川上流から材木を流し、石垣は伊豆諸島から切り出し各地から呼び寄せた外様大名が船で運んできた。修羅と呼ばれるソリのすべりをよくするため昆布をしく、南蛮ふうの変わった衣装を着た音頭取りが旗を立て鉦や太鼓を打ち鳴らして1,000人、3,000人ときには5,000人の人夫たちが江戸城まで大石を運ぶ。(内藤昌『江戸の町(上)』草思社)
 江戸が開府して50年以上も都市の建設工事は続くので、江戸は荒くれた男性ばかりで極端に女性の少ない町であった。明暦の大火、天守炎上となっても素晴らしい復興を遂げたのは彼らのおかげだ。けれども現代社会ではそのような人はほんのわずかに過ぎない、自分が住んでいる町をよりよい町にすることは、やはり住民の生の声こそ必要だろう。東京における今後の課題はどうしたら町づくりのイニシアチブを市民が取り行動できるかを考えることである。
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