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言葉の語源

日常、耳にする言葉の意味を調べています。 日本語って知れば知るほど魅力のある言葉ですね。

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■付け焼き刃(つけやきば)

その場逃れのために、にわか仕込みで勉強することをいい、中世の鎌倉、室町時代につくられた刀鍛冶(かたなかじ)の用語です。

日本刀を作るには、何度も地金を金鎚で打って鍛えなければ、切れ味の鋭い刀に仕上がりません。あまり鍛えられない刀は「付け焼き刃」といって、見掛けはよい刀と区別はつかないけれども、弾力不足になり、固いものを切ろうとするとすぐに折れてしまいます。

そこで、実力のないものができるもののまねをして態度を取り繕うさまを「付け焼き刃」というようになりました。

ところがどんなにいい刀でも実践では5人も切れば使えなくなってしまう、それならば戦場には安い刀を何本も持って行き、取り換えて使うほうが資金的にも戦力的にも有効です。結局、名刀といわれるものは、鑑賞用にすぎないのでした。

ある笑い話に「試験の前日、一夜漬けも間に合わないからと、カンニングペーパーを大量に作っていたら試験に合格してしまった」というのがあります。そう考えると、もしかすると付け焼き刃って悪いことだけじゃないのかな? と思えてくるから不思議ですね。
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■学ぶ(まなぶ)

物事を習ったり、ある技術を自ら修めたりする事を指す言葉であり、
他人のやることを「まねる」がなまってできたものです。

『平家物語』にこんな表現があります。

 何事も六波羅様と言いてんげれば、一天四海の人みな是をまなぶ

平家全盛の時代、日本中の人々がこぞって平家の服装や動作をまねていました。この時代では「まなぶ」の言葉はまねをするという意味で使われていたのです。その後、江戸時代に入ると、武士だけではなく町民も盛んに学ぶようになり寺子屋が生まれ、一時は1万5,000までに成長します。

寺子屋の師匠のまねをしつつ、自分でもあれこれ考えることをさす「まなぶ」という言葉が広まりました。

また大学、国学といった奈良時代の、朝廷が開いた学校の学生は「ものならうひと」といわれていました。平安時代になり「がくしょう」と音読みされるようになったものが、さらになまって「がくせい」となるのです。

私たちは生まれて間もなくのころから、すでに「これは、なんだろう?」という「学ぶ」という言葉も覚えていないうちに分かりたい、探究したいと思う気持ちが自然に湧いてきます。人間は生まれてから死ぬまで絶えず学んでいるのですね。
こんな本を見つけました。

『歴史から生まれた日本語語源詮索辞典』

どんなふうに言葉ができたのか、
どんなふうに変化してきたのか、
歴史的背景も合わせて紹介されている本です。

一つ紹介します。


■蜜柑(みかん)

代表的な冬の果物にミカンがありますね。

漢語ではミカンのことを「柑(かん)」と書きます。
古代にこの語が日本に伝わり、コミカン*の実を「柑子(かんし)」と
いうようになり、「かんし」がなまって「こうじ」になりました。

13世紀(1201年~)前半頃に成立した『宇治拾遺物語』の中の一つ
「こぶ取り爺さん」の話では、おじいさんのコブは「大こうじ」ほどもあったと伝えられています。

室町時代(1336年~1573年)に中国から現代と同じミカンが入ってきます。
たいそう甘かったので「柑」に「蜜」を付けた「蜜柑(みつかん)」の語ができ、
それがつまって「蜜柑(みかん)」になったのです。

国内で蜜柑の品種改良が行われた江戸時代以来、
もとのミカンより、はるかに大型の果物に変わっていきました。

コミカン*
ギネスブックにも載っている
鹿児島の桜島でとれる世界一小さいミカン、
桜島小みかんともいわれます。

直径5センチにも満たない、一口でパクッと食べられるミカン、
何でも小さくコンパクトにする国民性のある日本ならではの果物という感じがしますね。

ミカンを代表とする果物に多く含まれるビタミンC、風邪をひきやすい
季節に一日1個食べると病除けになるのは周知のとおりですが

ほかにコラーゲンを生成する過程でもビタミンCは必要とされたり
鉄欠乏性貧血には、レバーなど鉄分を補給するようにと言われますが
ビタミンCも一緒に取ると吸収力がアップするそうですよ。

食事のあとのデザートって大切なんだなと思いました。
病気にも美容にもいいミカン、今日もおいしくいただきます☆


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追記
大分県津久見市役所サイトで「尾崎コミカン先祖木」という木を見つけました。「わが国のミカンの元祖といわれているコミカン(紀州ミカン)の古木」、コミカンの栽培が始まったのは740年だとありますから、1,200年以上前です。流通するようになったのは室町時代のころですが、栽培が始まったのは鎌倉時代(1185年~1333年)からだったんですね。

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